メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 3061 Jul/24/2010

イスラムにおける妾と奴隷制をめぐるパキスタンのテレビ論議

パキスタンのテレビ司会者ムバーシル・ルクマン(Mubasher Luqman)がホストのテレビ番組「ルクマンとずばり話そう(Point Blank with Luqman)」で、パキスタンの著名なイスラム宗教学者が、イスラムはムスリムの妾所有を許していると語った。この番組のビデオ映像は、パキスタンのウエブサイトpakistanherald.comに掲載された。

このショーはパキスタンのさまざまな社会的、政治的問題が議論されるトーク・ショーで、月曜日から金曜日まで午後11時に放映されている。イスラム宗教学者が発言した前述の放送分は2010年5月31日、パキスタンのテレビ局Express Newsで放映された。

このテレビ討論には、厳格な宗教組織ジャーミアト・アフレ・ハディース(Jamiat Ahl-e-Hadith)の事務局長アッラーマ・イブティサーム・イラーヒー・ザヒール(Allama Ibtisam Elahi Zaheer)とバレールビー派の宗教学者でジャーミア・ナイーミア・マドラサ(Jamia Naimia Madrassa)の総裁(ナージメ・アアラNazim-e-Aala)であるマウラーナー・ラーギブ・ナイーミー(Mulana Raghib Naeemi)及び、ジャマーアテ・イスラミ(Jamaat-e-Islami)所属の政治家で、パンジャブ大学の元モスク学部長ムハンマド・アスラム・シッディーキ(Mohammed Aslam Siddiqui)が参加した。うちシッディーキは電話参加だった。

以下は、この番組の抜粋である。※1

「敵軍に同行する支援女性が、ジハードの戦いで捕まえられた場合(イスラム)軍のアミール(司令官)が彼女たちを分配する」

トーク・ショーのホスト、ムバーシル・ルクマン(番組初めから3分18秒後);「私の質問は、イスラムにおいて妾の所有が許されているかどうかだ。イスラムおいて、ニカーフ(結婚)なしに女性を所有できるのか。彼女と(性的)関係を持てるのか。彼女から生まれた子供たちは、父親の収入、あるいは生物上の父親の金から遺産を受け取れるかどうか・・・初めにイエスかノーか、一言で答えて欲しい。妾は許されるのか。

アッラーマ・ザヒール:「もちろん、イエスだ」

マウラーナー・ナイーミー:「それに関して2つの意見はない」

ムバーシル・ルクマン:「議論を進める前に、はっきりさせておきましょう。妾を所有するための条件というものがあるのか」

アッラーマ・ザヒール:「条件はある。全ての女性を妾と見なすことはできない。たとえば、家庭の手伝いとして働いている女性は妾ではない。または(パキスタン北西辺境州の)チトラール地域には、それに従って女性が売られる伝統がある。思うに、われわれは(特定の)地域の名前を挙げるべきではない。とにかく、部族地域で女性が売られている。私は、彼女らを妾とは見なさい。彼女らは妾ではない。妾の所有は2つの条件で許される。預言者(ムハンマド)の時代に、あるいは、預言者の後の敬虔なカリフの時代に、あるいは、これら敬虔なカリフの後のカリフ制国家の間に、満たされた条件を満たすならば・・・もし、今日、その条件をあなた方が満たすならば、妾を持つことができる。

「条件の第一は、敵軍に同行してくる支援女性が、ジハードの戦いの中で捕まえられた場合(イスラム)軍のアミール(司令官)が彼女たちを分配するなら━それは彼の裁量で行われるが━、われわれは彼女たちを妾に持つことができる。第二に、奴隷と妾が売られている市場を探し、見出すなら、そして、そこで(奴隷と妾の)売買が社会制度として確立されているならば、そこで購入される女性は妾となる。私の考えでは、自由な女性を拉致して妾にすること、あるいは自由な女性を売ることは間違いだ・・・」

「イスラムは奴隷取引を認めているのか」

ムバーシル・ルクマン:「ひとつ質問がある。後で詳細にうかがうが、イスラムは奴隷取引を許しているのか」

アッラーマ・ザヒール:「イスラムは、確立された奴隷取引の市場が存在するところでは奴隷取引を許す。(しかし)新しい(つまり自由な)人間を奴隷に獲得することはイスラムでは許されていない、また、イスラムはそれを奨励していない」

ムバーシル・ルクマン:「奴隷の子供は奴隷ですね」

アッラーマ・ザヒール:「そうではない。幾つかの条件の下では、奴隷の子供は自由である。奴隷所有者がその子供を自由にすることを望むならば、その子供は(自由になる)・・・誰かが妾と結婚して、彼女が妊娠するなら、その子供は奴隷ではない。所有主が妾と結婚した後、彼女を自由にできるし、また、彼女を別な男性と結婚させることもできる。しかし、彼女を再び売ることはできない・・・奴隷の子供は必ずしも奴隷ではない・・・」

ムバーシル・ルクマン:「あなたの見るところではどうか」

マウラーナー・ナイーミー:「・・・第一に、注目すべき重要点は、イスラム以前でも既に奴隷が売られ、市場が確立されていたことだ・・・彼らはどのようにして奴隷にされたのか。戦争状態の中で捕らわれ、道路脇で拉致された。子供たちは力ずくで誘拐され、売られた。イスラム以前、奴隷たちは惨めな生活を送っていた。

「奴隷制度に関するイスラムの考え方は、その実践を続けないことである。しかし、(イスラム草創)当時奴隷制度が存在していたため、同制度が許されたと考えている・・・奴隷制度を突然終わらせることは、さまざまな難問を引き起こす恐れがあった。したがって、奴隷制の考えが採用されたわけだが、イスラムで奴隷制度が許されていると、また、奴隷制度が継続されると思われないよう、幾つかの措置が規定された。むしろ、これらの措置で、奴隷制度は社会における終結に向けて動き出したのだ。

「人々がどのようにして奴隷にされたのかという問題に関しては・・・また、これらの奴隷たちがどのように扱われたかに関してだが、預言者(彼に平安あれ)の時代に戦争が戦われ、この戦いから戦利品がもたらされた。その中に美しい女性がいた。彼女は、預言者(彼に平安あれ)の教友に与えられた。(その後)預言者は彼女を取り戻し、メッカに送った。そして、メッカに捕われていた数人のムスリの捕虜が交換に釈放された。幾つかの類似のケースがあった。戦争でもたらされた奴隷たちが捕虜交換のために使われ、あるいは、身代金で自由にされ、あるいは、最も重要なのだが、善意のジェスチャーとして自由にされた」

ムバーシル・ルクマン:「ムハンマド・アスラム・シッディーキ博士よ、この番組にようこそ。参加していただいて感謝します。今日、あなたは議論に耳を傾けてきた。私は、同じ質問をあなたにしたい。イスラムにおいて妾を持つことは許されるのか」

ムハンマド・シッディーキ(が電話で参加):「肝心な点は、奴隷制度において男性が奴隷であり、女性が妾ということだ。イスラムは、誰かを奴隷に獲得するとか、奴隷制度を続けなければならないと命令していない。イスラムが奴隷制度を開始したわけでもなく、また、この(奴隷制度の)伝統の存続を命令してもいない。預言者(彼に平安あれ)の時代に戦争が戦われたが、それ以前からあった慣行では、一般に戦争捕虜は交換されなかった。仮に捕虜交換があったにしても、巨額の(身代金)支払いに代わるものだった。通常(戦争で捕らえられた)男性は奴隷にさせられ、女性が妾にさせられた。

「(英国統治以前の)インドにおいても、この問題、とりわけ妾に関しては、極めて深刻な問題だった。私は有史以前のことを話しているのではない。(マイソアーMysoreのムスリム王1750―1799)ティープー・スルタン’(Tipu Sultan)の時代、スルタンはマラーサー(Marathas)と戦い、完全に破った。マラーサーの軍隊は逃亡し、女性たちが置き去りにされた。テント一杯の女性が捕まえられた。彼女たちはマラーサーの指揮官たちの妻たちだった。(一方)スルタンは紳士であり、翌朝、これら女性に20人の護衛を付けて、戦闘後数マイル離れて野営していたマラーサーの軍隊に送リ届けた。(しかし)マラーサーの軍隊は、彼らの妻たちが到着すると(自国に)連れて帰るのを拒絶した。彼女たちがムスリムと一夜を過ごしたことが問題となった。そのため、彼女たちを連れて帰ることが出来なかった。

「(当時)東側世界には全般的に、1晩であれ敵に捕まった女性は引き取らないという考えが広がっていた・・・イスラムが登場し、その当時の状況━強制的に男性は奴隷にさせられ、女性は妾として所有され、人々が彼女らを再び受け入れないという状況━を見て、イスラムは3つか4つの方法を導入した。第一は(ムスリムの)捕虜が存在する場合の捕虜交換だった。第二は、善意のジェスチャーとして自由にすること。条件は、彼らが全く害を及ぼす心配がなく、将来役に立ちうるということだった。それが為されない場合、三番目の方法は身代金を獲得することだった。捕虜を最初に取ったのはバドルの戦い(624年)だった。歴史を学ぶ学生なら誰でも知っているように、当時ムスリムは貧しかった。ムスリムは食べるものも十分ではなかった。彼らは剣を持っていなかった。あなた方はバドルの戦いが少数の剣で戦われたことを知っている・・・(当時)預言者の教友の多くは、ムスリムは捕虜の身代金を獲得するべきだとの考えだった。そこで、アッラーは好まなかったが、預言者は身代金を取って(捕えた兵士たちを釈放した)。後に、身代金を獲得することは常に許されるようになった。そればかりでなく、コーラン(アッラーの啓示)の中でも許された。これまで述べたことは、戦争捕虜のケースだ・・・奴隷制度は、他に強制的方法がない場合の最後の(4番目の)選択だった。

ムバーシル・ルクマン:「所有者と妾の関係、つまり奴隷と関係を持つことは正しいのか・・・」

ムハンマド・シッディーキ:「前後関係をまとめよう。人々は一般に、かつてムスリム軍が多くの奴隷を勝ち取り、妾を選び、多くの奴隷を所有していたとは考えていない。実際にも、そうではなかった。イスラムの規律は厳格だった。人が戦争で死ぬと、彼はイスラムのために生命を捧げた殉教者だと人々は語った。預言者はこう言った。『私には、戦利品から一枚の布を盗んだ男の頭上で地獄の炎が燃えているのが見える』。その後、(戦利品の窃盗)事件は全く起きなくなった。針一本すら誰も盗まなかった。(一方で)1人の男性を奴隷にすること、あるいは女性を妾にすることは、そうではなかった。普通、戦利品がもたされた時、その中に戦争捕虜もいた。他に選択肢がない場合、(捕まった)男たちが奴隷として誰に分配されるか、女性たちが妾として誰に配分されるか決めるのは、(イスラム軍の)アミール(司令官)の責任だった。アミールは自らのシューラー(諮問評議会)に諮って決定した。アミールは戦争が作り出した(捕らえた女性たちをどうするかという)難問を解決するため、アッラーの名前において、妾たちを兵士たちに引き渡した。われわれはこれをニカーフ(結婚)と呼ぶべきではない。だが、そのやり方は、ニカーフ・クワン(結婚式を司る宗教人)がアッラーの名前において結婚を執り行うのと同じだった・・・」

ムバーシル・ルクマン:「それは、ニカーフとは呼べないのか・・・」

ムハンマド・シッディーキ:「ご存知のように、世界の誰であれ、捕虜とは結婚したがらない・・・(聞こえない)

(中断)

バイブルだと、アラブは奴隷/妾の子孫である

ムバーシル・ルクマン:「アッラーマ・イブティサーム・イラーヒーよ。トリッキーな質問をあなたにしたい。あなたが、そうした質問に答えるのを躊躇しないことを知っている。男性と女性の、ニカーフなしの(性)関係が許される方法があるのか」

アッラーマ・ザヒール:「条件に基づけば、その方法はある。これについて私には疑いがない。私の個人的意見だが、アスラム・シッディーキ博士はこの点に同意している。この点とは私が先に示した、イスラム軍のアミールが指揮官たちと協議して(捕らえた女性を妾として)彼らに引き渡すという点だ。今や、問題は、それが(許されるかどうかではなく)推奨されるかどうか、だ。それは推奨されない。それは許されるが、推奨されない・・・われわれの議論のポイントは、それが推奨されるかどうかではなく、それが許されるかどうかだ。それが許されることに疑問はない。さて、あなたが尋ねた質問に答えよう。アッラーは(コーランの23章)スーラ・ムウミヌーン(「信者」の章)でムスリムの特徴をこう表現した。信者は妻と妾を除いて、彼らの貞操を守る、と。その中でアッラーは、はっきりとこう示した。彼らは、彼らの妻たち━その数は4人を超えることができない━や、許可される妾の眼前で彼らの隠しどころを開けることができる、と。

「さて、あなた方に歴史的証拠を提示しよう。バイブルにある聖パウロの手紙を読むと、彼は系統を自慢している。彼はこう言う。われわれの系統が優っている。というのも、われわれは自由な女性サラ(Sarah)の子孫であり、われわれに対抗する諸国民━彼はアラブ人を批判して、こう言う━は妾の子孫だからだ、サイエダ・ハージル(Syeda Hajra)は、後にその地位は変わるものの、サイエダ・サラ(Syeda Sarah)に贈り物(奴隷の女性として)として与えられたことに疑いはない・・・」

ムバーシル・ルクマン:「彼女は妾だったのか」

アッラーマ・ザヒール:「そうだ、彼女は、後に彼女の地位は妻と変わったが・・・」

ムバーシル・ルクマン:「彼女は結婚したのか・・・」

アッラーマ・ザヒール:「そうだ、彼女は結婚した。彼女は預言者アブラハム(Abraham)の妻だった。そのことに疑いは全くない・・・ひとつのハディース(預言者ムハンマドの言葉)がある。妾を自由にし、妻とした者は、来世において二倍報われる、と・・・聖なる預言者(彼に平安あれ)の妻たちの1人はサイエダ・マリーア・コブティア(Syeda Maria Qibtia)だった。一部の人々は彼女が妾だったと言う・・・実際は、彼女は聖なる預言者に妾として贈られたものだ。しかし、聖なる預言者は彼女と結婚し、彼女の地位は妻に変わった・・・聖なる預言者は妾を持つことを許されたが、彼は妻たちで満足した。というわけで、私の考えでは、イスラムで妾が許されていないと言うのはコーランとスンナの教えを隠蔽するようなものだ。確かに、妾はイスラムで許されている。しかし、妾は、あらゆる人にとっての世話人のような女性ではない。1人の男性の所有物である。彼女は購入されるか、所有されているわけで、彼女のための(イスラムの)命令は妻たちとは異なっている。

ムバーシル・ルクマン:「それで、その女性(妾)には全く権利がないのか」

アッラーマ・ザヒール:「もちろん、そうではない。絶対、彼女には権利がある」

「もし、私が財産を所有、つまり羊の所有者だったり、馬の所有者だったり、女性の所有者なら・・・」

ムバーシル・ルクマン:「それは、彼女が売られず、あるいは、彼女の意志によって誰かに譲られるということか・・・」

アッラーマ・ザヒール:「ちょっと聞きたい。もし、私が財産を所有、つまり羊の所有者だったり、馬の所有者だったり、女性の所有者なら、所有者には(彼女を売る)権利がある。話は変わるが、預言者のハディースは彼女の解放をわれわれに奨めているし、(以下はアラビア語で)コーランは奴隷たちに、その自由を彼らの所有者と、金額や労働量で取引する権利を与えている・・・コーランは、奴隷の性格が良く、社会の役に立つ市民のように生活できるなら、奴隷を自由にするよう奨めている・・私が思うに、ここで奴隷は自分の意志を行使するチャンスを得る。同じことが妾の場合にも言える。妾が、彼女の所有者と彼女の自由を取引することを望むならば、それは可能だ。

ムバーシル・ルクマンがマウラーナー・ナイーミーに:「師よ、あなたの見解はどうか。妾とニカーフなしで性行為を持つことが許されるのか」

マウラーナー・ナイーミー:「いいですか、ここでの問題は、シャリーア(イスラム法)が定めるニカーフ成立のためには、証人2人の立ち会いが必要ということだ。(一方で)(一般に結婚を司る宗教者とされる)ニカーフ・クワンの立ち会いは不要だ。仮に、少年と少女が証人2人の立会いのもと(妻と夫として)互いを受け入れるなら、結婚が行われ、2人の性的関係は合法化される」

ムバーシル・ルクマン(さえぎって):「師よ、ちょっと待ってください。ちょっと待って。仮に今日、あなた方2人だけの立会いで、私が1人の少女について、彼女が私の妻である(つまり、彼女が同意している)と言えば、ニカーフ・クワンがいなくても、私と彼女のニカーフは成立するのか」

マウラーナー・ナイーミー:「ニカーフとは、結婚のために自分自身を提示し、相手側がそれを受け入れること。もし、少年が自分を提示して、少女が受け入れ、(状況を)知った2人の人物がこの出来事の証人になるなら、結婚は成立する・・・」

アッラーマ・ザヒール:「この問題についてハナフィー(Hanafi)法学派とアフレ・ハディース(Ahl-e-Hadith)の間には違いがある。アフレ・ハディースは、保護者の関与が必要と信じている・・・」

マウラーナー・ナイーミー:「証人2人が(結婚する)2人の保護者であることは可能だ」

アッラーマ・ザヒール:「問題は、少女が結婚適齢期(成人)に達したかどうかだ。成人の女性は自分の意志で結婚できる・・・」

ムバーシル・ルクマン:「・・・問題は、ニカーフ・クワンの立会いがないままで、ニカーフが認められるかどうかだ。もし、ある人が一人の少女について、彼女が自分の妻であると考え、彼女もまたそう考えているならば、それは結婚なのか・・・」

アッラーマ・ナイーミー(が、さえぎって):「ニカーフは成立している」

アッラーマ・ザヒール:「われわれは、ワリー(保護者)の受け入れを、それ(ニカーフ成立)の条件とする。もし、保護者が立ち会わず、それを受け入れないならば、それは結婚ではない・・・」

ムバーシル・ルクマン:「もし、私がアフレ・ハディースに所属していないなら、(保護者の立ち会わない結婚は)私に許されるのか」

アッラーマ・ザヒール:「それを信じる者たちに訊きなさい・・・(聞こえない)」

ムバーシル・ルクマン:「いいえ、私はそれについて尋ねているだけだ」

アッラーマ・ザヒール:「了解、アフレ・ハディースとハナフィー派のことは脇におこう。(その答えを)コーランとスンナに求めよう。コーランは何と言っているか。コーランは、家族の意志で彼らを結婚させよと言っている。保護者の許しのない結婚はありえない、と預言者は語った・・・」

マウラーナー・ナイーミー:「・・・ニカーフとは何か。ニカーフは契約のようなものだ。(男女)両人と証人2人が存在する。つまり、ニカーフは契約なのだ。(男女)両人のうち、男性か女性が結婚の申し込みをし、相手が受け入れる。そして、2人の証人━ニカーフの契約が為されつつあると知っている2人の証人━がいれば、その契約は効力を有する・・・」

「第二のポイントは、アッラーのメッセージ━もし、あなたが(妻が多くて、性関係を持つことが)公平にできないようならば1人(の妻)だけにしておくか(参加者の間からさえぎる声があり)・・・ニカーフ成立後、2人は数日間、性関係を持つことが許されない。これはアッラーが命じることである。アッラーはわれわれ(が性関係を持つことを)停止させ、また、アッラーはわれわれに許しを与える。そして、人が所有する女性(妾)はその人の所有権下にある・・・あたかも彼らはニカーフにあるようだ。彼らもまた、アッラーによって許されている・・・」

ムバーシル・ルクマン:「それで、あなたの法学によれば、ニカーフのために必要なのは証人2人だけだ・・・だが、妾はどうか。妾のための証言は必要か」

マウラーナー・ナイーミー:「彼女が、ひとつの制度、つまりイスラム政府によって誰かに与えられる時、この制度は彼女らが性関係を持つことを許している」

ムバーシル・ルクマン:「(イスラムの)諸制度は、1400年前には存在しなかった。存在したのは軍の司令官だ・・・」

マウラーナー・ナイーミー:「軍の司令官は制度だった」

(中断)

ムバーシル・ルクマン:「ムハンマド・アスラム・シッディーキ博士よ、われわれの話が聞こえていますか。

ムハンマド・シッディーキ:「聞こえなかった。あなた方が話しているのは結婚のことのようだった。しかし、何を話しているのか全く分からなかった」

ムバーシル・ルクマン:「ラーギブ・ナイーミーはこう言う。もし成人した男性と成人した女性がニカーフを宣言するなら・・・」

ムハンマド・シッディーキ:「どこからニカーフに関する議論に入ったのか。われわれは妾について話していたが・・・」

ムバーシル・ルクマン:「説明します・・・われわれが議論してきたのは、結婚をしていない妾、奴隷の女性との性関係です。ラギーブ・ナイーミーは(これについて)彼の見解を話していた。奴隷の女性との性関係は結婚なしで許されるのかどうか、話して下さい」

ムハンマド・シッディーキ:「私があなたに2つ3つ質問をする。それにあなたが答えたら、私も答えを言おう」

ムバーシル・ルクマン:「(質問の答えが)分かるなら、答えましょう・・・」

ムハンマド・シッディーキ:「もし、男性と女性を(戦争で)捕まえたなら、彼らをどう処遇すべきか。彼らは捕虜であり、(ムスリムの捕虜がいなければ)彼らを交換することはできない。彼らを送り返すことはできない。相手側は、彼らのために身代金を支払う意向はない。(一方)ムスリムは彼らを善意のジェスチャーとして解放するつもりはない・・・こうした状況下で、彼らは何を為すべきか。こうした場合、われわれは彼らを留め置かねばならない。われわれはどうすべきか。

(さえぎりが入る・・・)

「あるムスリムに既に4人の妻がいると仮定する。彼に、女性奴隷との『結婚』によって、5番目の妻が与えられるのか。カリフ制国家の時代、継続してジハードが戦われ、奴隷が大量に集められた。たとえ、誰かがまだ4人の妻を持っていなくても・・・結婚を通じて彼に1人の女性を与えることによって、彼の家庭に抗争を引き起こすことを望むだろうか」

ムバーシル・ルクマン:「妾は、男性がこっそりと持ち続けるべきか。それだと、問題を引き起こさないだろうか」

(さえぎりが入る・・・)

ムハンマド・シッディーキ:「とりわけ、アッラーとイスラムはニカーフを許し、その手段を考案した・・・もし、これらの女性(妾)が戦利品の一部ならば、コーランには、これらの女性に関する(話が)いっぱい詰まっている。コーランは、これらの女性を認めている。もし、あなた方がイスラム政府をアッラーの代表者と考えるなら・・・そして、政府がそれを認めるなら、それを疑問とするあなたは一体何者なのか(本当にムスリムなのか)。

ムバーシル・ルクマン:「私はそれについて知ろうとしているのであり、議論しようというのではない・・・」

ムハンマド・シッディーキ:「確かにあなたは、知っているはずだ。あなたは、われわれがニカーフなしで、どのようにして女性を家に留め置けるかと尋ねた。ニカーフを行えば、彼女は妻になる。(一方)妾はニカーフなしで留め置くことができる。しかし、別な重要ポイントは、イスラムが彼女の自由の無数の方法を提供していることだ」

ムバーシル・ルクマン:「それは、はっきり妾制度がイスラムにおいて許されているという意味か」

アッラーマ・ザヒール:「そうだ」

ムハンマド・シッディーキ:「その通りだ。しかし、妾が許されていたのは(かつて)戦争が戦われていた時だ」

今日、抗争の中で女性を獲得することは許されるのか

ムバーシル・ルクマン:「こう仮定しよう、今日、われわれがカシミール問題をめぐって、クフル(異端の世界)に対する戦争を行い、同戦争に勝利し、奴隷の男性と女性を連れ帰るとして・・・」

ムハンマド・シッディーキ:「あなたは宗教学者に相談すべきだ。彼らの意見では、国連憲章に調印した国々は他の国連メンバー国の市民を奴隷に獲得することは許されないという」

ムバーシル・ルクマン:「私が知りたいのはイスラムの見解であって、国連━イスラムに従わない国連の見解ではない」

ムハンマド・シッディーキ:「あなたはなぜ、それについて議論するのか」

ムバーシル・ルクマン:「議論しているのではない。私は、それを理解しようとしているだけだ」

(さえぎりが入る・・・)

ムバーシル・ルクマン:「国連とイスラムはどのようにリンクされるのか」

ムハンマド・シッディーキ:「国連とイスラムのリンクは、われわれがコーランによって協定を維持するよう命じられている、ということだ。もし、協定がイスラムに反するものであるなら、われわれはイスラムによって束縛される」

アッラーマ・ザヒール:「マウラーナー・ムハンマド・シッディーキは正しく、われわれは外交関係を持つ国々の市民を奴隷に獲得することはできないと、語った」

ムバーシル・ルクマン:「仮に、われわれがイスラエルと戦争をするとして、われわれには彼らと外交関係がなく(従って)奴隷や妾に取ることができるだろうか・・・」

「妾を(戦争でイスラエルから獲得することは)許される」

アッラーマ・ザヒール:「そうだ。われわれには可能だ。(イスラエルから)妾を獲得することは許される」

ムバーシル・ルクマン:「マウラーナー・アスラム・シッディーキよ。あなたの見解はどうか。マウラーナー・イブティサーム・ザヒールの発言を聞かれたか」

ムハンマド・シッディーキ:「いや、聞こえなかった」

(ムバーシル・ルクマンがイブティサーム・イラーヒーの発言を繰り返す)

ムハンマド・シッディーキ:「われわれは、外交関係を持っていない国々とはいかなる協定も有してはいない・・・」

(さえぎりが入る・・・)

ムバーシル・ルクマン:「われわれがイスラエルに対して勝利を得、兵士たちを獲得するなら、われわれはイスラエルから(奴隷を)取ることができるのか」

ムハンマド・シッディーキ:「考えてほしい。私は、あなたの考えの、あまりの牽強付会さに驚いている」

(さえぎりと笑い・・・)

マウラーナー・ナイーミー:「イスラム法は極めて古く、真実である。このカリフの時代からの法は、約束は守らねばならないということだ。ある国と捕虜交換の協定を持つならば、戦争捕虜は彼らに送り返さねばならない」

アッラーマ・ザヒール(が、さえぎって言う):「あなたは極めて前向きにイスラエルの例を挙げた。彼らはユダヤ人である。われわれは勝利した場合、彼らの女性たちと結婚は出来るだろう。しかし、われわれはそれを必要としていない。これは、われわれが外交関係を持っていないのと同じだ、(しかし、)仮にわれわれが勝利し、奴隷の女性を得るなら、仮に軍のアミールが妾を配るなら、そして仮にわれわれが戦利品の分け前に与かれるなら、彼女らを妾に持つことができる。そして、そのためにわれわれはアッラーに感謝しなければならない。しかし、われわれは戦利品の中から女性を盗むことはできない・・・」

(中断)

ムバーシル・ルクマン:「私には、詳細な答えを必要とする重要がある・・・あなた方がその質問に答えても良い・・・われわれには、現実のズィナー(姦通)をズィナーとして定義できない灰色の領域があるように見える」

マウラーナー・ナイーミー:「いや、そんなことはない・・・」

ムバーシル・ルクマン:「あなたは、ニカーフなしではそれがありうる。と言った」

(さえぎりが入る・・・)

マウラーナー・ナイーミー:「われわれはコーランに従わねばならない。われわれはコーランに疑問を投じることはできない。もし、コーランが黒と言えば、われわれは黒と言わねばならない。われわれは、それが黒かどうか考えることはできない。コーランは、戦利品の中に女性がいる時、彼女らと性関係を持つことが許されると言う。これはコーランが言っていることだ、あなたや私が言っているのではない」

アッラーマ・ザヒール:「灰色の領域というものはない。コーランが許すことは許される。コーランがわれわれに禁じているものは、禁じられる・・・」

注:
[1] http:// pakistanherald.com/Program/Does-Islam-give-permission-to-take-Bondmaid
-May-31-2010-Mubbashir-Luqman-3975, accessed June 10, 2010.


 

 

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