メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
中東報道研究機関




前のページ
前のページ
プリンターフレンドリー
プリンターフレンドリー


THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 6796 Feb/25/2017

イランに対処するためアラブ版NATO軍を編成しなければならない
―サウジ著名識者の提言―

2017年2月、サウジの著名ジャーナリスト(Al−Sharq Al-Awsat前編集長、Alarabiya TV前局長)アル・ラシード(`Abd Al-Rahman Al-Rashed)が2本の記事を発表し、イランに対してもっと毅然とせよ、イランがイラク及びシリアと形成した同盟に対処するため、アラブ版NATO′Rを編成せよ、と呼びかけた。

次に紹介するのは、Al-Sharq Al-Awsat及びAlarabiyaに英語で掲載された記事内容である。

写真@


アブダル・ラーマン・アル・ラシード(image: alarabiya.net)

最初の記事で※1、アル・ラシードは、トランプ大統領の発言に対する否定的反応を批判した。トランプがイランとの協定に反対する旨発言したことに対し、このような発言はイランとの強硬派を強めるだけという意見がある。アル・ラシードはこれを批判し、協定調印以来イランが好戦的姿勢を示していることは、オバマが追求してきた融和政策が逆効果であることを証明している、と論じた。更にラシードは、イランの強硬派がイスラム革命以来同国を支配し、穏健派は西側に融和姿勢をとらせるため、看板に使われているにすぎないとし、毅然とした対イラン政策をとれ、と次のように主張した。

「この30年間(イランの)指揮中枢で強硬派と穏健派が本当に競合する状況はなく、それを証明するようなことは、何も起きなかった。むしろ、強硬派が権力を掌握したままで、穏健派は看板に使われているだけである。主要な出来事がこれを物語る。ロハニ大統領とザリフ外相は、穏健派の代表格であった。両名共に前オバマ政権の覚えよろしきを得た。更に両名は、オバマ政権を説得することにも成功した。つまり、制裁を解除しイランと外部との風通しをよくすれば、イランの穏健派、中東及び世界全体の利益になると主張し、納得させたのである。

しかるに、この仮説は間違っていたことが、再び判明した。証拠ならある。イラン指導部は一段と強硬になり、イスラム共和国の発足以来、初めて、軍事活動を国境外へ拡大する挙 にでたのである。目下イランは、国境の外で展開する四つの戦争に参加し、軍用資金もだしている。核協定がイランを解放し、通商を活性化し、中東地域に対するイランの脅威を大目にみる結果をもたらした。イランの軍事侵攻はその延長線上にある。

協定調印後イランの行動は目に余るようになり、ワシントンには期待はずれの失望感が漂うようになった。トランプの過激派的言辞は、当然の成行きである。イランの冒険主義に国際社会が厳しい姿勢をとらなければ、中東と世界の紛争に介入し金をだすことを強制的にやめさせなければ、今後事態はもっと悪化する。

イランの味方は、イランと宥和すれば(イランは)世界に建設的な姿勢をとるようになる、と主張してきた。イラン情勢や国情に詳しい者には、単なる言訳にしか聞えない。テヘラン政権の性格は、革命思想を抱く宗教性にある。その政治目的は、テヘランのアメリカ大使館を占拠し外交官を人質にとった時(1979年)から、変っていない。同じ論理で、イランは地域内外の代理人や民兵を使い、近隣諸国の反政府勢力を支援し、力によって支配していく。これが論理的帰結である。

イランは、革命を世界に輸出すると宣言した時から、余り変っていない。変ったのは、財政上軍事上の状況が格段に改善されたことでる。西側と結んだ核取引のおかげである」。

アル・ラシードは二番目の記事で※2、イランが近年中東に生じた政治的真空状態に乗じ、核協定を含むオバマ政権の政策を利用して、イラク、シリア、イエメンに軍事介入し影響力を拡大したと論じ、次のように提言した。

「どのような組織形態でもよいが、軍事協力が必要である。=(軍事協力)の先を読んだものであれば特によい。イランに対処する同盟の結成が必要である。シリア及びイラクを含む国及び地域と軍事的に同盟関係にあるイランとバランスをとるうえで、必要な措置である。

イランはロシアとも軍事上協力関係にある。ロシアはイランに軍事基地をひとつ持っている。シリアの戦争では、ロシアはイランと肩を並べ強力に介入している。イランは、パキスタン、イラク、レバノンその他の国からシリアへ民兵隊を送りこみ、シリアの旗のもとで戦わせている。イラン軍は、専門家≠フ名目でイラクで戦っており、イラク戦争の動きをいくらか左右するようになっている。以上の諸点に鑑み、アラブのNATO(軍)の編成は…イランのワルシャワ条約機構=i軍)に対する当然の対応といえる」。

[1] アラビア語版は次を参照:Al-Sharq Al-Awsat(London), February 12, 2017; 英語版は次を参照:english.aawsat.com, February 13, 2017.

[2] アラビア語版は次を参照:-Sharq Al-Awsat(London), February 20, 2017; 英語版は次を参照:alarabiya.net, February 21, 2017.


 

 

すべての翻訳の著作権はメムリが所有する。
記事の引用の際は必ずメムリの名前を記載すること。

著作権に関する問い合わせはここをクリックして下さい。

ウェブサイト開発: WEBstationONE, ウェブホスティング: SecureHosts.
Copyright © 2001, 2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008, 2009, 2010, 2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 2016. All Rights Reserved.