メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 6869 Apr/19/2017

アカバはISロケットの脅威下にある―安全は他人まかせにできない
―ヨルダン古参ジャーナリストの警告―

2017年2月8日、テロ組織ISシナイ州がイスラエルの港湾観光都市エイラートにグラードロケット3発を撃ちこんだ。この事件の後、ヨルダンの古参コラムニストであるアル・ヒタン(Fahd Al-Khitan)が、2017年2月27日付ヨルダン紙Al-Ghadで警告を発し、ISは(エイラート隣接都市)アカバを容易に標的にできる、同市の重要な戦略的施設が危ないと指摘した。ヨルダンはシリア及びイラクと境界を接する地域だけでテロリズムと戦っているのではないとし、エジプト軍がISシナイ州に対して一寸した$果しかあげていない現状に鑑みて、ヨルダンは他者の努力に頼ることなく、自衛力を強化しなければならないと主張した。以下その記事内容である※1。


Aqaba (image: mawdoo3.com)

我々は、北部及び東部正面(シリア国境、イラク国境)だけで、テロリズムと戦っているわけではない。我々の南部国境から左程離れていない地域が、ISの脅威にさらされているのである。エジプト軍がシナイ半島でこのテロ組織ISと戦っているが、苦戦中である。これまで4年ほど戦闘している。しかし、この対テロ戦には先が見えない。シナイ半島のテロ組織は、山地々帯に拠点を確保している。この地帯での戦闘は極めて困難である。エジプト・リビア国境は、カダフィ政権が崩壊した後混乱状態にあり、ISはこの混沌状態を利用して、多量の最新兵器をシナイ方面へ搬入している。武器と麻薬の密輸業者が搬出入のネットワークを持っており、ISは戦闘員のシナイ導入にも、このネットワークを利用している。

このテロ組織ISシナイ州は、つい数週間前イスラエルの港湾都市エイラートに、グラードロケット3発を撃ちこんだ※2。ヨルダンにとって今後の脅威が予想される攻撃であった。イスラエルのアイアンドーム防空シ ステムが作動し、ロケットは空中で撃破され、砕片が広い地域に飛散落下した。なかにはアカバ市の中心地に落下した破片もあるが、被害はなかった。

エジプト軍が対IS戦で一寸した戦果しかあげていない状況があり、一方で(テロ組織が)誘導ミサイルを発射できる能力を持つ事実に鑑みて、ヨルダンは南部国境の事態に安閑としておられない。この南部域は、天然ガスのデポや(アカバ)発電所があり、タンカーが石油を搬入する港湾もあり、極めて重要な戦略施設を持つ地域である。

以上の事実を踏まえて考えると、ヨルダンはアカバの安全確保を他人まかせにしてはいられない。担当部局は、市の重要施設を守るための措置はしている。しかし、このテロ組織は軍事力を増強し、行動拡大を考えている恐れがある。ヨルダンはこの(アカバ)地域を軍事作戦地域に指定して、備えを固めなければならない…放っておけば、サウジアラビアのような隣接諸国の権益まで危険にさらすことになる。事態がそこまでいっているわけではないが、備えは必要である。

ヨルダンは、ほかのシナリオが現実化するのを避けるため、まだエジプト軍に依存しており、武装テロリストの弱体化と脅威の排除上エジプトに極力協力している。しかしながら、南部地域が安全保障上の挑戦をうけつつある現状をみると、テロリストの脅威が強まっていることを実感する。対テロ戦争は、(ISの)拠点があるモスル(イラク)とアル・ラッカ(シリア)に限定することなく、もっと広い地域を視野にいれて考えなければならない。ヨルダンを囲む地域には、グローバルなテロ組織が存在する。この諸組織は、遠いアジア、アフリカ諸国を戦略縦深地とし、そこからはずみをつけ、グローバルなテロ組織集団と化して、攻撃してくる。かくして諸大陸の数十ケ国が脅威をうけているのである。

地域レベルで考える時、我々が全正面でテロリズムと戦っていることを、理解しなければならない…これはピクニックではない。諸外国とその政権の失敗は、我々にふりかかってくる。我々の経済と安全が脅威にさらされることになるのである。

[1] Al-Ghad (Egypt), February 26, 2017.

[2] 次を参照:MEMRI JTTM report ISIS-Sinai Claims Grad Rocket Attack On Eilat, February 9, 2017.


 

 

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