メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 7170 Nov/15/2017

IS (イスラム国) 敗北後は我々がイラクで米軍と戦う
―親ヒズボラ系レバノン紙にイラク抵抗筋が語る―

この2週間ヒズボラに近いレバノン紙Al-Akhbarがイラク関係筋のインタビュー内容を1面で紹介した。その関係筋によると、IS(イスラム国)の敗北後、「自分達が戦闘を継続する」とし、「相手は、イラクでISと戦闘中の米軍」である。日刊紙はイラク抵抗筋&タびにアルカビ(Akram Al-Ka`bi)の話を引用した。ちなみにアルカビは、イラク所在の親イラン系シーア派民兵隊PMU (人民動員隊、Al-Hashd Al-Sha`bi) 系組織アルヌジャバ(Al-Nujaba)の書記長である。このアルヌジャバは、11月3日アメリカ下院で導入されたイラン系テロリスト制裁法2017(Iranian Proxies Terrorist Sanctions Act of 2017)の対象に含まれるテロ組織である。ちなみにこの法案は「組織とその幹部、要員、構成員」に対する制裁を目的とし、その対象のひとりがアルカビ書記長である※1。

この地域所在のアメリカ軍を攻撃対象にする旨の威嚇は、イラン側要人達が最近口にしている。1979年のアメリカ大使館占領記念日(11月4日)に際して、威嚇したのである。例えばイスラム革命防衛隊(IRGC)司令官ジャファリ(Ali Jafari)は、2017年10月31日に「我方のミサイルは射程2000qである…アメリカ兵は、イランの半径2000q以内の圏内にいる。彼等が我々を攻撃すれば、すぐ反撃する」と述べている※2。この言明を裏書きするように、射程2000qのカドールF弾道ミサイルが記念日催事の目玉として前アメリカ大使館の建物の前に展示された※3。

次に紹介するのは、Al-Akhbar紙に掲載されたイラク関係筋の威嚇要旨である。

イラク所在米軍に対する作戦準備は完成―イラク抵抗筋言明

2017年11月1日、レバノン紙Al-Akhbarはイラク所在のアメリカ軍を攻撃する意図を語るイラク抵抗筋≠フ発言を掲載した。記事によると、イラク所在のアメリカ軍は7000から25000の兵力で、「我々は、IS(との戦闘)が終っても武器をおかない」、「目下、偉大なる対米闘争の準備を呼びかけている」とし、次のように抵抗筋は述べている。

「イラクに展開するアメリカ軍は、新しい占領者であり、抵抗諸派の新しい攻撃目標になる。目下、この新しい占領者に対する戦闘・安全保障作戦が準備中で、アメリカ軍の展開地域正面を担当する各(抵抗)部隊は既に作戦開始の準備をととのえた。

アメリカ占領軍に対する戦いは3段階に分けられる。第1段階は2003−2011年である。この段階で我々は、イラクの努力、イラン及びレバノン(ヒズボラ)の支援によって、占領者アメリカを撃破した。第2段階は2011年に始まる。アメリカ軍がイラク撤収を開始し、(アメリカの)手先との戦いが始まった(ISなどのテロ組織を指す)。第3段階はこれから始まる。IS後の闘争≠ナある。

アメリカとその同盟者達の主目的はイラクの分割≠ナあると同時に、イラクの前進基地化≠ナある。彼等が相手にするのはイラン。西の境界の方から接近するのである。従って抵抗諸派の目的は、アメリカとその同盟者の意図をくじき、この国を解放することである※4。

写真1


2017年11月1日付Al-Akhbar 一面「イラクで米軍との対決に回帰」とある。

我々の役割はイラク所在米軍の撃破―アルヌジャバ書記長アルカビ言明

2017年11月4日、Al-Akhbarの記事が出た3日後、同紙はアルカビのインタビュー記事を掲載した。先述のように、アルカビは人民動員隊(PMU)系の組織アルヌジャバの書記長である。抵抗諸派が反米軍事作戦に回帰するのかとたずねられ、「その通りである。抵抗諸派における我々の主たる役割、そして又、我々の目的のひとつは、イラク占領を阻止することにある。(イラクにおける)イスラムの抵抗は2003年、アメリカが(この国を)占領し始めた時に組織された。設置理由から判るように、主な役割はイラクにおけるアメリカの軍事力だけは存在する如き状況を拒否することである」と述べた※5。

写真2


アクラム・アルカビ(Akram Al-Ka'bi)書記長. Source: Al-Akhbar, Lebanon, November 4, 2017.


[1] Congress.gov/bill/115th-congress/house-bill/4238/text,2017年11月3日付。この法案は、「アルカビは、2008年初めバグダッドの国際ゾーン或いはグリーンゾーンに対する迫撃砲とロケットによる攻撃に参加した」とし、本人及びほかのヌジャバ隊指揮官達は、イランのハメネイ最高指導者の命令に従い、2016年3月はレバノンのヒズボラに対する支援を宣言した」としている。

[2] Kayhan (Iran), October 31, 2017. 次を参照:MEMRI Inquiry & Analysis No.1357, IRGC Commander Jafari In Message Meant To Reassure Europe: Right Now, We Are Settling For Missiles With 2,000-Km Range – A Range That Covers U.S. Forces In The Region, November 3, 2017.

[3]次を参照:MEMRI TV Clip No. 6253, Iranian Regime Marks Anniversary Of 1979 U.S. Embassy Takeover With 2000 Km Range Missile Opposite Former Embassy, November 4, 2017.

[4] Al-Akhbar (Lebanon), November 1, 2017.

[5] Al-Akhbar (Lebanon), November 4, 2017.


 

 

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