メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 調査および分析シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

調査および分析シリーズ


 
Inquiry and Analysis Series No 820 Apr/28/2012

緊張高まるサウジ・ロシア関係
―シリア危機を背景とするサウジの対露批判―
H・ヴァルルカー*

はじめに

 シリア情勢をめぐって、最近サウジアラビアとロシア間に緊張がたかまっている。反体制派を支援するサウジアラビアは、カタールと一緒に陣営を率いて、アサド政権の打倒と反体制派支援を呼びかけている。一方ロシアは、中国と一緒に体制側の陣営を率いて、シリア政権を非難したり、打倒を呼びかけ或いはシリア危機への介入を求めるアラブや諸外国の行動を阻止しようとする。危機は、外国の介入を避け体制派と反体制派の対話によって解決しなければならない、とロシアは主張する。ここで注目すべきは、シリア危機に対応する主要大国としてのアメリカが、このサウジ・ロシア間の対立に顔をだしていない点である。

 2012年2月4日、国連安保理が、アサドに権限移譲を求め挙国一致内閣の成立を呼びかけた決議案を採択しようとした時、ロシアと中国が拒否権を使って葬り去った。ロシア・サウジ間の緊張は、これで一段と高まった。2月22日、ロシアのメドベージェフ大統領がサウジのアジズ国王に電話したが、冷たくつき放されてしまった。ロシアは、安保理で拒否権を行使する前に、アラブ諸国と本件について協議すべきであった、シリア情勢をめぐって最早両国の間で対話は成立しない、と言われたのである※1。

 3月2日、ロシア外務省がサウジ非難のコミュニケをだした。これが一段と緊張を高めることになった※2。2月24日チュニジアで開催された「シリアの友人会議」で、サウジのファイサル外相が、シリアの反体制派の武装化をすすめよと呼びかけた※3。これに対してロシアが、テロを支援しているとして、サウジを非難したのである。それだけではない。ロシア外務省のスポークスマンが、本件を国連のテロ対策機関に付託するとまで言ったのである。これに対して、サウジ外務省は声明をだし、サウジがテロを支持すると主張するロシアを激しく非難、「ロシアの拒否権行使が、アサドに自国民虐殺の継続を許すことになった…誰がテロリストか、テロリストの背後にいる者は誰か。歴史のみが判断する」と主張した※4。

 3月10日、カイロのアラブ連盟本部でアラブ外相会議が開催され、シリア危機について討議した。この会議にはロシアのラブロフ外相も出席している。報道によると、会議は非常に緊張した空気で、サウジの外相がロシアを激しく攻撃し、アサド政権の人民虐殺を後押しているとして、口をきわめて非難した。カタールのアールサニ首相兼外相(Hamad bin Jassem Aal Thani)も、ラブロフを責めたという※5。しかしそれでも外相会議は、シリア危機に関するアラブ・ロシア5項目協定を成立させ、アールサニとラブロフがそれを発表した※6。

 当初この協定で、ロシアに対するサウジの立場が多少は変ると思われた。サウジ各紙は楽観的な報道を流し、ロシアはシリアに対する立場をすぐに変えると書いた※7。ラブロフ自身少なくとも或る程度は、その方向で動こうとしているように見えた。アサド支援を制限し、シリアに対する最大の擁護者という認識を変えようとしている、と思われたのである。ロシアの外相は、控え目ながらシリアの政権批判を始め、アサドは、ロシアの助言を適時適切に実行せず、改革できなかった、と説明した※8。数日後ラブロフ外相は、ロシアがシリア政府を支持することはないとすら言った。シリア政府の措置の多くを支持しかねると述べ※9、「シリアの指導部は、大きい誤まちを犯し、それがこの国の状況を悪化させた」と主張した。しかしながら外相は、ロシアが立場を変えたことはなく、危機解決の前提条件としてのアサド辞任を受入れることもない、と明言した※10。

 2012年3月20日、ロシアの対テロ特殊部隊がシリアのタルスス港に到着したというニュースが流され、サウジ・ロシア間の緊張が再浮上した※11。この報道は、サウジアラビアを初めアラブ世界で疑惑と怒りをかきたてた※12。ロシアの国防省と外相は、船は軍艦ではないと強調し、搭載物件は燃料で乗船部隊は船の警備兵と述べた※13。

 3月21日、ロシアのラジオ局がラブロフ外相にインタビューし、緊張はピークに達した。外相は、中東数ヶ国が、アサドを追放してシリアにスンニ派政権を樹立すべく画策している、と言ったのである※14。この発言はサウジの報道機関に激烈な反応を引き起した。報道記者や論説委員が一斉に反発。悪魔に加担して、アサド政権の受け売りに終始し、政権護持に躍起になっている。シリアはスンニ派が多数社会である事実を無視して、一方的にシーア派に味方し、中東のスンニ派に敵意を抱くイラン・シリア・イラク・ヒズボラ陣営に加担して、中東の宗派間緊張を煽っているとして、ラブロフを批判した。

 3月23日、ロンドンを本拠地とするサウジ系アラブ紙Al-Sharq Al-Awsatが特集記事を組み、「ロシアは、地域の国内問題、宗派問題に首をつっこんでいる」と主張した。この特集には、ラブロフ発言に端を発するアラブ全国家の高官、識者の非難、が掲載されている※15。

 カタールの新聞もラブロフ非難記事を掲載した※16。湾岸協力会議(GCC)のザヤニ事務総長(Abd Al-Latif Al-Zayani)も激しい非難声明をだした※17。次に紹介するのは、ラブロフ発言に端を発する、サウジ紙のロシア批判記事概要である。

1ロシアはイラン・シーア派陣営に加わった

 ラブロフ発言に反撥するサウジの報道記者や論説委員は、ロシアがイラン主導のシーア派陣営に加わり、シリア政権の主張をまき散らし、反スンニの立場をとった、と批判する。スンニ対シーアの宗派問題で論じるのが特徴的である。

ムッラー・ラブロフとイランのムッラーは同じ穴の狢

 ラブロフ発言を最初に攻撃した者のひとりが、ロンドン発行サウジ紙Al-Shaeq Al-Awsatの編集長アルホマィエド(Tariq Alhomayed)である。シリアにスンニ派政権が登場する恐れを警告するラブロフに対し、編集長は2012年3月22日付同紙で「ムッラー・ラブロフ」と題し痛烈な批判記事を掲載した。ロシアの外相がシーア派陣営の立場を主張して、この地域における宗派間緊張を煽っている。赤のムッラー・ラブロフと黒衣をまとったイランのムッラーに違いはないとし、次のように主張した※18。

 「外相がこのような声明をだすのは極めて奇異である。ロシアの外相であるから尚更である。この声明は、破廉恥な行為と言っていいが、ヒズボラのナスララ書記長やイラクのマリキ首相、イラクのシーア派指導者サドルがだしたのではない。イランのサレヒ外相やアサド自身が口にしたのでもない。宗派間の泥沼に落込んだことのない世俗国家の人間が言ったのである。特にショックであったのは、ムッラー・ラブロフの口のきき方である。我々がムッラーと言う時、それはホメイニのイランのムッラーと同じ、という意味である…。

 このところロシアの外相は、シリア情勢に関する声明をたて続けにだしている。その数は半端ではない。しかしながら、この一連の声明は自家撞着にみちている。アサドを批判し、シリア人民の行動に誤まった対応をして状況悪化に火をつけた、と主張した。かと思うと、ロシアは国連安保理、国際社会と協力したいと述べ、遂にはあの思慮分別のない挙に出て、この地域のいくつかの国がシリアにスンニ派支配の確立を意図している、という主旨の声明をだした。これは危うい発言というだけではない。ロシアの外相に我々が期待する外交上の判断、を欠いている。スンニ派支配云々のラブロフ声明は、サウジを初めとする湾岸協力機構加盟諸国がラブロフの自家撞着的声明を無視しているので、それに対するロシアの挫折感を示す…。

 スンニ派支配云々の恥ずべき声明は、宗派間の派閥主義を煽るだけである。この声明が中東の記憶から消えることはない。たといモスクワが、アサドをシリアから退去させることができたとしても、その記憶を拭い去るのは難しい。シリアの反体制派で反アサドの指導者アロウル(Sheikh 'Adnan Al-'Arour)がアサド政権についてどう言っているか。両者の違いは何であるのか。モスクワはこの点に留意しているのであろうか。

 たといモスクワがこの点に気付くようになっても、時既に遅しで、相当の傷がついてしまった。赤印の(ラブロフ)ムッラーと黒衣をまとった(イランの)ムッラーは大同小異。双方の間に違いはなく、ダイナマイトに囲まれたこの地域の火に、油を注いでいるのである。不幸な話だが、ムッラー・ラブロフのやったのが、まさにこれであった」※19。

スンニ派ムスリム世界を敵に回したラブロフ

 このAl-Sharq Al-Awsatコラムニストのダハイディ(Mashari Al-Dhaidi)も同様で、次のように書いている。

 「ラブロフは、アサドとテヘランのムッラー達の唱える説をそっくり鵜のみにして…イスラム世界と多数派社会であるスンニを敵に回し、これと紛争を起してしまった。そして、避けたいと思っていた罠に落ちた。つまり、宗教派閥主義扇動の壕に落ちてしまったのである…そもそもアサドが宗派上の穏健さを鼓吹するであろうか。イランのムッラーと一緒に下劣なやり方で宗教派閥主義を強めている人間のひとりではないのか…シリア危機に対するロシアの認識が、その政策の皮相性となって現われている…」※20。

Uロシアはシリアのスンニ多数派社会を無視

 サウジ紙の記事のもうひとつの特徴は、ラブロフとその延長線にあるロシアが、シリアの多数派社会はスンニ派である事実を無視している、と指摘した点にある。

アサドの主張を鵜のみにしたラブロフ

 オタイビ('Abdallah bin Bijad Al-'Otaibi)は、前出Al-Sharq Al-Awsatで、次のように主張した。

 「今尚ロシアは、シリアにおける組織的殺人政権の擁護という愚かな立場をとっている。危機勃発時にとった政策を今でも維持し、国際協議の場で、終始一貫無制限にアサド政権を支持し、治安部隊を含むその軍には兵站支援を続け、訓練を施している。ロシアの外相ラブロフの特異な点は、シリアの宗教派閥主義に関する発言にある。つまり、アサド政権が唱える話、即ちシリア社会のあらゆる階層における宗派間暴力の防波堤になるという主張であるが、ラブロフはこれを受け売りしながら、当のアサド政権が毎日他宗派の人民を何十何百人と殺している現実を、完全に無視しているのである…。

 ラブロフは、シリアにスンニ派政権が成立する可能性に懸念の意を表明し、自分の中立的立場を失ってしまった。シリアではスンニ派社会が多数派であり、少数派のアラウィに支配されている事実を忘れている。しかも、その少数派は、他の宗派を踏みつけにして、既得権維持に汲々としているのである…。

 ラブロフの宗教派閥主義的声明は、アサド政権の政策と軌を一にしている。政権は、危機勃発の当初から今日に至るまで、危機を破壊的な宗派間抗争に変えようとしてきた。ラブロフは、中東でいくつかの国がシリアのスンニ派を支配していると言う時…シリアで流されている血が全宗派(の血)であることを忘れているのである…」※21。

他の宗派と平和的に共存するシリアのスンニ派社会

 同様にサウジ半官紙Al-Riyadhの編集者クウェイリト(Yousuf Al-Kuwailit)も、ラブロフに疑問を呈する。果して外相は、スンニ派がシリアの多数派である事実や自分が悪魔と手を組んだことに気付いているのか、と次のように論評した。

 「ロシアのラブロフ外相は、シリアの政権対人民の紛争で悪魔掩護の役廻りを演じている。彼は(このシリア危機の)解決を求めて、政権と反体制側との対話を呼びかけるだけで、アサドの辞任を求める安保理(決議)を拒否した。

 ロシアの外相は、政権交代でスンニ派が権力の座につき、キリスト教徒その他の少数派社会が危険にさらされると(懸念)した。彼が、シリア社会の民族及び宗派構成に気付いているのかどうか。スンニ派が多数派であり、ほかの宗派と平和的に共存してきた事実を、知っているのかどうか。フランス植民地主義は、キリスト教徒が多数派を占めるレバノンをシリアから分離し、アラウィ派には北での国造りを勧めた。フランス植民地主義の(消滅)後でも、スンニが多数派であることに変りはなかった。スンニは穏健と共存のモデルであった。ところが、(ハフェズ)アサドが例のバース党革命で権力を握り、要職を自分の宗派(アラウィ派)の人士に限定して、軍を初めとする主要機関の性格を変えてしまった。

 多数派の(スンニ)イスラム社会を周辺部へ押しやり、恐怖政治で(ほかの宗派を)押さえつけるやり方が、イラン、イラク、シリア、ヒズボラの推進しているところである。この国々とその力に頼るグループは、シリアのスンニ派が大きい役割を果し、レバノンとイラクにも影響を及ぼすようになるのを、大変恐れている…。

 (シリアの)革命はシリア人民の感情を噴出せしめた。ロシアそしてロシアと目的を共有するグループは、(この革命の)行末を決めることはない。アラウィの支配下で40年も呻吟した末に、体制に対する全宗派の怒りが、遂に爆発したのである。(ロシア高官の)宣言と言葉遊び、そして、自分達は自由を守り国際法を尊重し、これに則り行動しているという信仰は、数々の国際法違反の前に一挙に崩壊したのである…数千人のために全人民の自由を圧殺するなど、その悪行は数知れない…」※22。

Vチェチェンにおける少数派の支配はアラウィ派支配と同類

 チェチェンとコーカサスでは、ムスリム住民が多数派であり、ロシア自身が少数派による支配を続けていることを考えれば、ロシアが少数派アラウィによる多数派スンニ支配を支持しているのは、不思議ではない。そのように論評する論説委員達がいる。なかには、もっと手厳しく、ロシアは、支配下の他宗派人民を弾圧、殺害するアサド戦術を、そっくり使っていると批判する人もいる。

 そのひとりサウジ日刊紙Al-Jazirahのコラムニスト、ジャッセル(Jasser Abd Al-Aziz Al-Jasser)は、次のように論評している。

「ラブロフは、スパイやギャングの精神構造を身につけている。彼はシリア人口の80%を占める人々に国を統治する資格なし、と多数派の権利を否定し、スンニ派が政権をとれば、中東のテロを支援する≠ニ主張している。ロシアがユーゴスラビアでセルビア人の支配を支援し、ボスニア、ヘルツェゴビナのムスリム虐殺を正当化した時も、同じ主張であった。この地域紛争がNATOの軍事介入で終息したのは、周知の通りである。ロシア人は、ムスリムによる国家統治を望まない。少数派による支配体制を維持しようとする。その少数派は殺戮と迫害で支配体制を維持するが、その支配の軛からの解放は、断固としてこれを阻止する。チェチェンやコーカスの例に見る通りである。そこでは多数派のムスリム社会が少数派のロシア人に支配され、火と武力で抑圧されている…」※23。

 サウジ日刊紙Al-Iqtisadiyyaでは、ドサリ論説委員(Salman Al-Dosari)が次のように書いている。

 「最近ロシアの外相が、シリア革命に関する自国の政策(の背後)関係を、自ら明らかにした…このロシアの熊は恬として恥じず、宗教派閥主義がロシアの政策の原点であると言い放ったのである。ロシアの最終ゴールは、アラウィ体制を保持しスンニ派の勃興を防止することにある。これまで1万人を越えるシリア人民が死亡しており、将来その数が倍になることも予想されるが、そのような代価を払っても押さえつけようとする。セルゲイ・ラブロフは、チェチェンとコーカサスでモスクワが宗教上の異質の存在を弾圧してきたことを、まさか忘れはしないだろう。この数十年の間に数十万の人間を殺し、追い出したのだ。そしてその張本人のひとりがのこのこやって来て、マイノリティに対する懸念を(我々に)説教するのである…」※24。

Wロシアの対応はロシア自身を傷つける

 ロシアの対応は、この地域の宗派間緊張を煽っているが、結局はその対応自体がはね返ってロシアを傷つける、と論じる人々がいる。アラブから断固とした反応をうけると警告するのである。なかには、シリア危機の火の手がロシアの玄関先にせまってくると言いきる人もいる。

ラブロフ声明は、ロシアの破局のもとになる

 サウジ日刊紙Al-Watanは、3月25日付論説で次のように論評した。

 「ラブロフの声明は、シリアに対するロシアの姿勢、ロシアとイランの関係を明らかにすると共に、ロシアがシーア派諸国を支持する側にまわっていることを物語る。国際政治の面では、まことに深刻な問題である…。このような状況におけるアラブの立場は、断固として微動だにしない。何故ならばこの地域の紛争は、宗教ではなく政治的問題であるからだ…。

 声明にみられるロシアの目的は、国際政治でポイントを稼ぐため、問題を宗派間紛争に変えることにある。イラクの場合と同じである。しかし、政治紛争でシリア人民の命を取引の材料にすべきではない。ロシアの声明は、この地域におけるロシアとその同盟者にとって命とりになるだろう」※25。

アサドの火つけを助けるロシアは、その火で焼かれる

 カタール日刊紙Al-Sharqコラムニストのハジャウィ(Samir Al-Hajawi)は、ロシアが火つけの手助けをしているが、結局はその火で火傷を負うと警告、次のように論評した。

「いつもロシアの指導部は政治地図が読めず思慮分別のない政治バカ(の御手本)と組む。この(ロシアの)指導部は、アラブ世界の負け組といつも組む常習者である。アラブ世界の人民運動について、最初の読みができない。方向性を理解しないのである…愚かなロシアの指導部は…ゲームのルールが判らないとみえる。アフガニスタンにからめとられて、ソビエト帝国を失なう破目となった…リビアでは…最後の最後迄カダフィを支持して元も子もなくした。

 ロシアがシリアで負け犬になるのは間違いない。何故ならば、シリア人民が打倒を決意すれば、アサド政権が崩壊することを理解しようとしないからである。アサド支持でロシアが得るものは何もない。アサド政権、イラン、ヒズボラ、そしてイラクを支配する民兵集団が喜ぶだけである。代りに、シリア人民、アラブ及びムスリムの憎しみを得る。アサド政権とロシアは、宗教派閥主義という爆発性のカードで火遊びをしているのである。モスクワは、シリアの多数派であるスンニ派アラブ社会による統治に反対し、アサドの火遊びに手を貸している。その火が足許に広がってくることを考えようとしない。火はアフガニスタンからシリアへ、そしてチェチェンへ延焼している。すぐ近くまで燃え広がっているのである…」※26。

X人民革命の疫病波及を恐れるロシア

 前出Al-jazirahコラムニストのシェイク(Muhammad Abd Al-Latif Al-Sheikh)は、3月27日付同紙で、次のように書いた。

 「ロシアは何故アサド政権を支持するのか。人民革命の疫病を恐れているからだ、としか説明のしようがない。(この疫病が)自国民やロシアと同盟関係にある諸国人民へ波及するのが恐ろしいのである。同盟諸国といったが、いずれもアサド政権のコピー、よく言って一寸した改良型コピー体制国家である。ロシアは、凄い速度で迫ってくる革命の波を前に、シリアをその防波堤にしたいのである…」※27。

*H・ヴァルルカーはMEMRIの研究員

※1 2012年2月22日付Al-Iqtisadiyya(サウジアラビア)ロシアが拒否権を行使して安保理決議を葬り去った後、サウジでは全ロシア製品のボイコットの呼びかけがきかれた。2012年2月7日付MEMRI I&A No.794「安保理における中露の拒否権行使後アラブ世界にひろがる中露製品ボイコットの声」を参照。

http://www.memri.org/report/en/0/0/0/0/0/0/6059.htm

※2 2012年3月8日Al-Watan(サウジアラビア)。 2012年3月14日付Arabic.cnn.com

※3 2012年2月25日Al-Sharq Al-Awsat(ロンドン)

※4 2012年3月14日Arabic.cnn.com 2012年3月8日Al-Watan。3月11日サウジのファイサル外相(Sa'ud Al-Faisal)はドイツ外相とリヤドで共同記者会見をおこない、同じような認識を示した。更にサウジの半官紙には、テロ支持の歴史を持つのはロシアであってサウジアラビアではないと主張する記事が、沢山掲載された。例えば次を参照。

2012年3月12日付Al-Watan(サウジアラビア) 2012年3月8‐9日付Al-Riyadh (同) 2012年3月9日付Al-Jazirah(同)

※5 2012年3月11日付Al-Watan 同日付Al-Sharq Al-awsat

※6 5項目合意点は次の通り。(1)誰彼の区別なくシリアにおけるすべての暴力行為の停止、(2)中立の監視機関の設置、(3)外部勢力の介入反対、(4)シリア全国民に対する人道的支援の速やかな実施、(5)政権側と反対制派との対話の道を開くことを目的とする、国連・アラブ連盟合意要綱に従った、アナン国連特使の任務支持。2012年3月11日付Al-Hayat(ロンドン)。

※7 2012年3月11,19日付Al-Sharq Al-Awsat  2012年3月11日付Al-Watan

※8 2012年3月14日付Al-Quds Al-Arabi(ロンドン)

※9 2012年3月18日付SANA(シリア)

※10 2012年3月21日付Al-Sharq Al-Awsat

※11 2012年3月19日付Alarabiya.net  2012年3月20日付Al-Sharq Al-Awsat

※12 2012年3月20日付Al-Sharq Al-Awsat  2012年3月21日付Al-Jarida (クウエイト) 2012年3月26日付Al-Jazirah(サウジアラビア) 

※13 2012年3月20日付Al-Sharq Al-Awsat  2012年3月19日付Alarabiya.net

※14 2012年3月22日付Al-Sharq Al-Awsat

※15 2012年3月23日付Al-Sharq Al-Awsatサウジの英字紙Saudi Gazetteも同じような記事をだし、サウジの政治家と外交政策の専門家達がラブロフ声明を非難した、と報じた。2012年3月25日付Saudigazette.com.sa

※16 例えば2012年3月25-26日付Al-Sharq(カタール)を参照。

※17 2012年3月24日付’Okaz(サウジアラビア)

※18 2012年3月22日付Al-Sharq Al-Awsat

※19アルホマイエドは2012年3月24日付同紙にラブロフ攻撃記事を再度掲載、そのなかで編集長はシリアの少数派社会に、ロシアの外相が売りつけている妄想≠無視して、アサド政権打倒に結集せよ、と呼びかけた。一方ササウジ日刊紙Al-Sharqでは3月29日付でコラムニストのバキル('Ali Hussein Bakir)が「最高指導者アヤトラ・ラブロフ」と題して、同じ主旨の記事を発表し、ラブロフの声明は、イランの最高指導者ハメネイかヒズボラ書記長ナスララが書いたような内容である、と主張した。

※20 2012年3月23日付Al-Sharq Al-Awsat

※21 2012年3月22日付Al-Sharq Al-Awsat

※22 2012年2月24日付Al-Riyadh(シリア)

※23 2012年3月24日付Al-Jazirah(サウジアラビア)

※24 2012年3月24日付Al-Iqtisadiyya(同)

※25 2012年3月25日付Al-Watan(同)

※26 2012年3月25日付Al-Sharq(カタール)

※27 2012年3月27日付Al-Jazirah(サウジアラビア)


 

 

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