メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 1013 Oct/31/2005

恥辱の汚点はイスラム世界の中心からすぐに消滅―イラン大統領のイスラエル抹殺宣言

ホメイニ師(Ayatollah Khomeini)によって設けられたイランのエルサレム・デーは、毎年ラマダン月の第四金曜日に記念行事がおこなわれる。今年はそれに先立ち行事の一環として「シオニズム無き世界」と題する会議がテヘランで開催された。

会議には、ハマス及びイスラム聖戦の代表、パレスチナ民族防衛協会、イスラム学生同盟の各メンバーのほか学生数百名が出席、イランの大統領アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)が、出席者を前に演説した。

大統領は演説のなかでイスラム世界と「傲慢の世界(西側)」との昔からの長期対決について触れ、イスラエルとシオニズムを西側の反イスラム闘争の尖兵と位置づけ、イスラエル抹殺の必要性を力説した。そして、イスラエル抹殺は達成可能と主張した。

演説は、ヒズボラ指導者ナスララ(Hassan Nasrallah)、ハマス指導者マシャアル(Khaled Mash`al)もおこなった。

イラン学生通信社(ISNA)は大統領演説の全文を配布した。次に紹介するのは、ISNAの報道及び演説の概要である※1。

演説に先立ち、大統領は、諸君が「イスラエルに死」というスローガンを叫ぶつもりなら、適時適切に斉唱せよ、と言った。

大統領は、イスラム世界の指導者達に警鐘を鳴らし、フィトナ(試練、内紛)に注意すべきであると強調した。

「覇権主義(西側)の圧力にさらされ、迷妄におち、逡巡し享楽に走る者は、結局シオニスト政権を認めるようになってしまう。そのような者は、イスラム共同体(ウンマ)の火に焼かれることを知るべきである」と大統領は述べた。

大統領は、シオニズムの本性を明らかにして、次のように述べた。

「我々は、パレスチナの本当の姿を知らなければならない…エルサレムを占領している政権の設立は、イスラム世界を目の敵にする覇権主義の傲慢体制(西側)による、まことに憂慮すべき深刻な行動であった。我々は、イスラム世界と驕慢世界との歴史的戦争の只中にある。この戦争は何百年と続いてきた、食うか食われるかの戦いである。

この歴史的戦争においては、戦いの正面は、何度も状況が変った。時代によっては、ムスリムが勝利し、極めて活動的で前進につぐ前進を続け、傲慢の世界が後退した時もある。

不幸なことに、この300年間傲慢の世界を相手に、イスラム世界は後退を続けている…この100年間をみると、イスラム世界(の城壁)は崩され、傲慢の世界はイスラム世界の支配に向けて、エルサレム占領政権をその橋頭堡にしている…。

この占領者(イスラエル)は、事実上驕慢世界のフロントであり、これがイスラム世界の心臓部にせまってくるのだ。驕慢世界は攻撃拠点(イスラエル)をつくり、そこを足掛りとして膨張し、イスラム世界全体の支配をもくろんでいるのである…これは、現在進行中のパレスチナにおける戦いがイスラムの対驕慢世界戦争の第一線、であることを意味する。やがてこの戦いがパレスチナの将来を決するのだ。

今日、パレスチナ民族は、イスラム共同体(ウンマ)の代表として、覇権主義体制との戦いの第一線に立っている。神に感謝すべきことであるが、パレスチナ人民はイスラムのゴールをめざしてイスラムの戦いに挺身している。彼等の闘争は、性格と方向性にイスラム性を帯びている。そして我々は、パレスチナ人民のあげる戦果と前進を日々目のあたりにしているのである。

この(シオニズム無き世界)会議の扱う問題は、まさに当を得たものである。この重大な戦争にあって、多くの人が、イスラム世界対異教不信心フロント闘争に関して、絶望と失意の種をまき散らしている。彼等は心の中でイスラム世界をからにしたいのである。

彼等は、アメリカとシオニズム無き世界を見ることが本当に可能なのか、とたずねる。しかし、君達が一番よく知っているのではないか。このスローガンとゴールが達成できることを。勿論可能である…。

イマム(ホメイニ)が、(パーレビ)政権は退陣しなければならぬ、我々は従属政権無き世界を求めると言われた時、政治のことなら何でも知っていると自称する多くの者は何と言ったか。「そんなことがあり得る?」と言ったではないか。

あの日、イマムが運動を開始された時、すべての列強が(パーレビの)腐敗政権を支持し…退陣などあり得ないと言った。しかし我々人民は一歩もひかずに、立ち向かった。そして現在この27年間、我々はアメリカ従属政権無しで、ちゃんと生きてきた。イマム(ホメイニ)は、「東側(ソ連)と西側(アメリカ)の支配は終りにしなければならぬ」と言われた。しかし、自分のすぐ近くの世界しか見えない弱い人々は、その言葉を信じなかった。

いつの日か我々が東側帝国主義(ソ連)の崩壊を目のあたりにするとは誰も信じず、鉄の体制だと言った。しかし間もなくして、この体制は見るも無惨に崩壊した。崩壊の仕方がただならぬことなので、図書館で文献を探さなければならないが、それに関する資料はないのである。

イマム(ホメイニ)は、サッダム(フセイン)は退陣しなければならぬ、さもなければ類のないやり方で侮辱される、と言われた。果してどうなったか。10年前永遠に生き続けるようなそぶりで、意気揚々としていた男が、今では足枷をつけられ、自分の国で裁判にかけられているではないか。

イマム(ホメイニ)は、「クッズ(エルサレム)占領政権は、歴史から抹殺しなければならない」と言われた。まことに当を得た賢明な言葉である。パレスチナ問題は、我々が妥協できる問題ではない。

(イスラミック)フロントが、その心臓部にほかのフロント(国家)の存立を許すことなど、果して可能なのだろうか。この政権(イスラエル)の存在を受入れる者は、イスラム世界の降伏文書にサインするのと同じである。

傲慢な世界を相手とする戦いで、尊師(ホメイニ)は、クッズ占領政権を攻撃目標として標定された。

我等の愛するパレスチナで生まれ、イスラム世界にも波及している新しい波は、イスラム世界全域にひろがる道義の波である。この恥辱の汚点(イスラエル)は、すぐにイスラム世界の中心から消滅する。これは達成可能なことなのである。

しかし我々は、フィトナに注意しなければならない。50年以上も傲慢の世界は、この偽りの政権(イスラエル)の存在を承認しょうと躍起になってきた。初段階から、第2第3段階と、この方向で政権を安定しようとしている。

残念なことに、27-8年前第一線に立つ国のひとつ(エジプト)が、(イスラエル承認という)失敗をしてしまった。我々は今でも(エジプトが)誤まりを正すことを期待している。希望は失わない。

最近我々は新しいフィトナに直面している。(ガザの)強制退去を以て、彼等(イスラエル)は、ほんの片隅からの撤退を済ませてしまい、これが最後、我々の勝ちと嘯いている。パレスチナ人の希望に終止符をうとうとしているのだ。

今日連中(イスラエル)は、サタンさながら欺瞞にみちたやり方で、戦闘の主導権を握ろうとしている。政治問題や失業問題に専念させようとパレスチナ諸派を動かそうと躍起である。意図はみえすいている。将来を決するパレスチナの大義を放棄させ、諸派の抗争にもちこんで、内紛状態にしようとしているのだ。

連中(イスラエル)は、さも善意にあふれたような顔付きをしているが、ガザ回廊からの撤収と交換に(国家の)認知を得たいのだ。願わくば、このフィトナに警戒して欲しい。

パレスチナ問題は終っていない。パレスチナの全域が、パレスチナ人民に所属する政府の手に帰した時、初めて問題は終結する。難民は故郷に戻らなければならない。人民の意志による政府が樹立されなければならない。そして勿論、はるか遠方の地からこの国へ略奪目的でやってきた者(ユダヤ人)は、(パレスチナ)人民を左右する事柄に、何等決定権を持たない。

パレスチナ人民には、過去10年の戦いで発揮した警戒心と智謀を是非維持して欲しい。これは、短期間のことになる。この期間をうまく通過すれば、シオニスト政権の抹殺過程は円滑且つ簡単になる。

私はイスラム世界の指導者全員に、フィトナを警戒せよ、と警告する。覇権主義勢力(西側)の圧力にさらされて、何処かが、間違っているとか、自分はナイーブとか考えたりすればその迷妄、逡巡そして享楽主義がシオニスト政権の承認につながってしまうのだ。そのような人間は、イスラム共同体(ウンマ)の火に焼かれることを、覚悟しなければならない…

閉めきった部屋にこもる者は、この問題について何も決定できない。イスラム人民は、この歴史の敵がイスラム世界の心臓部に存在することを、絶対に許せない。

おお我が愛する民よ、世界をしっかり見渡して欲しい。我々は誰から挑戦をうけているのか? 目をしっかり見開け。我々は、敵によって我々におわされた屈辱の深さを、理解しなければならない。我等の神聖なる憎悪が広がり続け、波となって相手を打ち砕くまで、その屈辱は晴れないのだ。

※ 1 2005年10月26日付イラン学生通信(ISNA)

http://www.isna.ir/Main/Newsview.aspx?ID=News-603386


 

 

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