メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 1096 Feb/19/2006

イランの改革派インターネット日刊紙は報じる:新しいファトワ(宗教判定)が、宗教法は核兵器の使用を禁じていないと述べる

2006年2月16日、改革派の日刊紙ルーズ(www.roozonline.com)は(イランの宗教都市)コム出身の過激派聖職者が、同紙が「新しいファトワ」と呼ぶものを発出したと初めて報じた。このファトワは「シャリーアは核兵器の使用を禁じない」と述べている。

以下は、ルーズが掲載したシャフラム・ラフィザデShahram Rafizadehの記事の抜粋である。※1

「全世界が核兵器で武装している時、対抗(手段)として、これら兵器の使用が許される」

「(イランの)超保守派の宗教指導者たちは、シャリーア(イスラム法)の見るところでは核兵器の使用は合法だと受け止めた。(アフマディネジャド・イランAhmadinejad大統領の宗教上の師である)(アヤトラ)メスバハ・ヤズディMesbah Yazdiの弟子モフセン・ガラビアンMohsen Gharavianは、対抗手段としての核兵器の使用に初めて言及した。彼は『シャリーアの見地から、それは(核兵器を使う)目標次第である』と述べた」

「これについて(イランの)イスラム共和国の指導部は、これまでのところ沈黙している。彼らは現在まで、核兵器の使用はシャリーアに反すると見なしてきたし、繰り返しそう言明してきた、過去数週間、イスラム共和国の一部上級(指導者は)急進的な(保守派)から受ける圧力を弱めようと試みた。しかし、その事実にもかかわらず、急進派は(イラン)政界を完全にコントロールしているように見える。

「(国際原子力委員会=IAEA)理事会が(イラン核問題の国連安保理への付託を)決議して以来、(イランの)核問題を担当する(国家安全保障会議事務局長)アリ・ラリジャニAli Larijaniは一度しか記者会見を行っていない。彼の沈黙は重要である。※2 しかし、昨日、イラン国営通信はモフセン・ガラビアンの核問題に関する最近の発言を報道した。ガラビアンは(イランの宗教都市)コムの神学校の講師であり、(アヤトラ)メスバハ・ヤズディの弟子である。彼は最近の発言で、シャリーアに従えば核兵器の使用は問題を構成しないかもしれないと初めて述べた。彼はさらに『全世界が核兵器で武装している時、対抗(手段)として核兵器を使用することは許される。また、シャリーアに従えば、目標だけが重要だ・・・』と述べた。

「(ガラビアンは)核兵器の軍事使用に問題はないと見ていると述べた(原文のまま):『こう言わねばならない。当然しごくなことだが。全世界が核兵器で武装している時、対抗手段として、これらの兵器を使用することができることは必要である、と。しかし、重要なことは、それが使用される目標が何かだ』

「イランの超(保守派は)これらの兵器使用のための根拠を準備する新たな努力を開始した」

「政府に近いこの聖職者はまた、核交渉と、同交渉の将来の諸段階に言及した。彼はイラン核問題の(安保理への)ーー『付託』ではなくーー『報告』は言葉の意味をもて遊んでいるとし、『イランのイスラム共和国政権に圧力を掛ける西側の主要な目標は恐怖を引き起こすことだった。しかし、我々はヨーロッパとアメリカの将来の態度の成り行きを見て。それから最善の決定を下す』と語った。

「ガラビアンの声明は(アヤトラ)メスバハ・ヤズディのグループによる核問題に関する最初の公の声明である。今まで、最高位の宗教(指導者)は誰も、宗教上の根拠に基づく核兵器の使用は認めなかった。しかし、今や、イランの超(保守派)はこれら兵器の使用のための宗教的根拠を準備する新たな努力を開始したように見える。

「アフマディネジャド氏はビンラーディンに取って代わった

「(アフマディネジャド大統領就任から)半年以内に、前大統領ハタミKhatamiの国際分野での業績は失われた。マハムード・アフマディネジャドMahmoud Ahmadinejadの奇妙な提案と急進的なアプローチによって、極めて短期間に、世界の人々はビンラーディンbin Ladenを忘れた。現在(世界の人々の)すべての視線は(イラン)イスラム共和国に集まっている。今や誰もが、イランが提起する危険でもちきりだ。同様に(外国の)大使館を襲撃するという戦略が2週間前に形成された。(こうした)イスラム諸国の大使館放火を含め最近の暴力事件の背後でイランとシリアがあやつっていると、アメリカは見なしている。アフマディネジャド氏はまさにビンラーディンに取って変わったのだ・・・」

注;

(1)http://r0ozonline.com/01newsstory/014094.shtml.

注目されるのは、日刊紙ルーズがイラン外部から投稿され、インターネットフォーマットでしか入手できないことだ。

(2)メムリ・テレビ・クリップ No.1029

http://switch5.castup.net/frames/20041020_MemriTV_Popup/video_480x360.asp?ai=214&ar=1029wmv&ak=null


 

 

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