メムリ(MEMRI) - 中東報道研究機関 緊急報告シリーズ
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THE MIDDLE EAST MEDIA RESEARCH INSTITUTE

緊急報告シリーズ


 
Special Dispatch Series No 1134 Apr/14/2006

イラクの(クルド系イスラム過激派)アンサール・アル・イスラムの最高指導者ムッラー・クレカルがノルウェーで語った。「イスラムのカリフ制再建まで、西側とイスラムの間に平和はない;ビンラーディンとザワヒリは立派な人々である;欧州のムスリムは蚊のように増え、2050年までに(欧州の)総人口の30パーセントがムスリムとなるだろう」

イスラムの預言者ムハンマドの戯画をめぐる抗争の直後、ノルウェーの日刊紙ダグブラデットのインターネット版は、クルド系のイラク人イスラム主義者ムッラー・クレカルMullah Krekarにインタビューした。この中でクレカルは、イスラムと西側との関係に関する見解を詳細に語った。実名がナジュム・アッディン・ファラジュ・アフマドNajm Al-Din Faraj Ahmadのクレカルは、1991年難民としてノルウェーに着き、同国でイスラム主義組織アンサール・アル・イスラムを設立した。現在、ノルウェーの国外追放予定者名簿に登録されている。

以下は、インタビューの抜粋である。※1

「西側の思考方法は、その物質主義、エゴイズム、野蛮さを古代ギリシャとローマから取り入れた」

クレカル:「一方の側に、西側の思考方法ある。その物質主義、エゴイズム、野蛮さは古代ギリシャとローマから取り入れた。この思考方法が、真のキリスト教を変えた。この変化の一つの例は、西側のキリスト教が(今日)男性同士のセックスを認めていることだ。これを、イエスは決して受け入れなかった。他方の側に、イスラムがある。現在、西側は、キリスト教の品位を落としたのと同じやりかたでイスラムを圧倒し、それを変えようとしている。

インタビュアー:「文明間の戦争ということか」

クレカル:「違う。文明は一つしかない。しかし、その一つの文明をめぐっては、相異なる複数の思考方法がある。イスラムにおける我々の思考方法は、西側の思考方法とは反対側にある。今日、我々の思考方法が優勢になり、西側の思考方法よりも強力であることを自ら示している。イスラムは安定した基盤ーー一つの神、一人の預言者、一つのコーラン、一つの伝承ーーを持っている。これが、西側の思考方法(を取る者たち)の間に憎悪を生み出し、敗者(西側の意)による暴力の使用に至る。それが、イスラムに対する暴力と戦争である」

民主主義は口実に過ぎないーー西側はイスラムに対抗できない

インタビュアー:「反イスラム戦争が存在すると貴方が言う根拠は何か」

クレカル:「民主主義の拡大は口実に過ぎない。同じことはビンラーディンOsama bin Ladenに対する追及にも言えるーーそれは口実に過ぎない。(とは言え)西側はイスラムに対抗できない・・・イスラムに対する攻撃は、手のようなものだ。指の一本は、イラクとアフガニスタンにおける戦争である。他の一本の指は、グアンタナモ湾におけるムスリムの投獄である。三番目の指は、預言者ムハンマドの戯画の掲載である。我々は物事をあるがままに見なければならない。これらの(ムハンマドの)戯画は、西側の反イスラム軍事闘争の一部なのだ。

2050年までに、欧州の人口の30パーセントはムスリムになるだろう」

インタビュアー:「あなたはイスラムの思考方法が西側の思考方法より強力だと言うが、それはどういうことか」

クレカル:「我々には、西側の思考方法に対する恐れはない。西側の思考方法は勝てない。これら二つの思考方法はイラクで対立している。イスラムの側にあるのは、死を愛し、信仰のために殉教しようと願う者たちである。もう一方の側には、一日100ドルのために戦う兵士がある。米軍兵士の死者数は(西側の思考方法の)失敗の証明である。同じことはアフガニスタンにおいても言える。2001年から2004年にかけ、自爆攻撃は5件だった。しかし、2005年、自爆攻撃は17件と激増した。

「米国と同盟国の前線は小さくなる一方、イスラムは自らの前線を広げている。グアンタナモからのレポート(複数)は同一のことを示す。彼らはムスリムの心から信仰をはぎ取ろうと試みている。しかし、それはうまくいかない。彼らはデンマークで戯画を掲載した。しかし、それはただ、イスラム支援に集結することを人々に促す結果となった。(このことを)私とムスリム全員が誇りにしている。彼らは、我々を変えることができなかった。我々が、彼らを変えるのだ。

インタビュアー:「どのようにして変えるのか」

クレカル:「欧州における人口の変化を見よ。欧州のムスリムの数は、蚊のように増えている。EU(欧州連合)諸国に住む西側女性が出産数は平均1・4人。一方、ムスリムの女性は3・5人だ。2050年までに、欧州の30パーセントはムスリムになるだろう・・・」

我々はビンラーディンと同じ目標のためにーーただ異なる状況下で戦っている

インタビュアー:「欧州に持ち込まれつつある(イスラムと西側間の)戦争の軍事部分を輸入することは正しいか」

クレカル:「違う。それを我々は支持できない。しかし、アフガニスタンやイラクに戦いに行く者たちにとって、それは栄誉である。たとえ、当地、そして欧州における法律を侵害するとしても。本質的に栄誉である」

インタビュアー:「『本質的に』とは、ビンラーディン、アルカーイダや他のテロ・グループと共に戦うこと(による欧州の法律の侵害)を意味するのか。

クレカル:「ビンラーディンをテロリストだと言う者たちこそ、我々の女性、子供、市民を殺害している。このことは我々が見、また知っていることだ。我々は、ビンラーディンに対する米国の発言に影響されていない。なぜなら、彼らが言及している人物を、我々は知っているからだ。我々(とビンラーディン)は同一の目標のために、ただ異なった状況下で戦っているのだ。

「目標は、イスラム国家におけるイスラム統治である。シーア派ムスリムはこの目標をイランで獲得した。彼らは極めて強力であり、そのため西側はあえて攻撃しようとしない。これ(イスラム国家の樹立)こそ、我々が(西側と力の)バランスを維持し、永続的な平和を獲得することができる唯一の道である」

インタビュアー:「目標はカリフ制国家ーー預言者が樹立したイスラム統治ーーの再建か」

クレカル:「そうだ。我々のカリフは死に(そのため)我々は孤児となった。したがって、ユダヤ人がダビッド・ベングリオン(初代イスラエル首相)の下で戦ったように、我々は我々自身の国家ーー真のイスラムの統治者が統治する国家ーー(再建)のために戦っている」

ビンラーディンはカリフ制国家を統治する立派な人物である

インタビュアー:「カリフ制国家は、どのような境界を持つのか」

クレカル:「それは問題ではない。(カリフ制国家再建の)事態は生じ、その後次第に大きくなる。根本はイスラム統治である。これこそ、アフガニスタンにおけるタリバンの統治を破壊した理由だった。彼らはイスラム国家を恐れたのだ」

インタビュアー:「誰が、新たなカリフ制国家を統治すべきか」

クレカル:「聖職者である必要はない。立派な人物であれば、それで十分だ」

インタビュアー:「ビンラーディンはそうした人物か」

クレカル:「ビンラーディンと(アルカーイダの理論指導者)アイマン・ザワヒリAyman Zawahiriらは立派な人物だ。ユダヤ人指導者たちは自らの国家(イスラエルの意)を持つ前まではテロリストではなかったか・・・」

欧州における生活は、ムスリムにとって価値がない

インタビュアー:「西側世界の大半のムスリムは、これら国家を自分たちのホームとした。あなたは彼らにどのようなメッセージを送るか」

クレカル:「西側とノルウェーにおけるムスリムは、これが自分たちの国家ではないということを理解したがらない。ムスリム国家は、それがどこにあろうとも、彼らのホームになるだろう。西側におけるムスリムは、かつてのユダヤ人のようだ。我々(ムスリム)はホームレスであり、かつ弱い。我々が我々自身の国家を樹立するまで、そうであり続けよう。当地における生活は、ムスリムにとって全く価値がないのだ」

インタビュアー:「西側に在住し、社会と政治的生活双方に完全に参加しているムスリムに対して、あなたは何と言うか」

クレカル:「彼らは選挙に参加し、カール・I・ハーゲンCarl.I.Hagen(ノルウェー進歩党党首)やクリスティン・ハルボーセンKristin Halvorsen(ノルウェー左派社会党党首)を選ぶことが出来る。しかし、本質的に、彼らは社会にとって何ら価値をもたない。シーア派がイランで(イスラム国家を)創ったように、我々が我々自身の国家を獲得する時、ムスリムは十分な政治的、経済的支配をもつだろう」

インタビュアー:「あなたは、欧州のムスリムがどのような役割を果たすと考えるか」

クレカル:「この点で我々が果たせる役割は何もない。我々の立場は、我々の人数を維持することである。しかし、現在、あなた方は我々を被疑者の役割に置いている。あなた方と西側こそ(西側が)我々のために何が出来るか我々に言うべきである。西側がイスラムを保護すべきであって、その逆ではない。

インタビュアー:「ムハンマドの戯画の掲載を許すのと同じ表現の自由と宗教の自由はまた、あなた方が自分たちの見解と信念を表明する最善の保護となるのではないか」

クレカル:「私はこの国の法律によって保護されている。その法律は、ムスリムを特別に保護しているわけではないし、これらの戯画がそうであったような(反イスラム)攻撃からムスリムを保護できもしない。この事件における犠牲者は西側ではないのだ」

注1:

ノルウェーのダグブラデット紙2006年3月13日付


 

 

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